昨日も書きましたが、今日から灘73回生の英語授業は第2クール
に入ります。僕自身が楽しみにしています。
彼らの多くは英語のプロになるわけではないし、僕も彼らに英語の
同時通訳になってほしいわけではないので、英語のトレーニングは
するけれども英語の達人になるような授業はしません。
考える力や問題解決力を高める機会にしてもらえればと思います。
英語の達人ではなく、一流の知識人になってもらいたいのです。
ここからはあくまでも例。
1.LGBTという言葉があるが、現代の日本社会における性差別には
どのようなものがあるのかを知り、どんな人でも暮らしやすい社会と
いうのはどういう社会かと考える。
2.普天間飛行場の辺野古への移転を反対している沖縄の人が多い
のはどういう歴史的背景があるのかを資料を読んで知る。
沖縄の日本への復帰を喜んだ人は多いが、沖縄の人々の中には
がっかりした人もたくさんいたのはなぜかを知り、
この先の沖縄がどうなれば幸せになれるのかを考える。
3.阪神大震災のときには約2年半で復興したのに、東北の場合には
長引いているのはなぜか。解決のために政治・経済・社会・教育の面で、
どのようなことを取り組んでいくべきなのかを考える。
4.どうして日本はあんなにも長い鎖国をしたのか。現代への影響は
どうなのか。平和だった江戸時代と現代を比較し、現代ではどうして
鎖国をしないのか等を切り口に、国際関係の理想を考える。
こういうことが高1~高2あたりでできるようになってもらえればいいなと。
まずは日本語や英語で書かれた資料を読み込みます。
そして考えて資料にまとめてもらいます。
(グループで話し合う等はしない。考えるのは孤独な作業なので)。
他の人たちの意見を聞き、自分の考えをブラッシュアップさせます。
これらを日本語でも英語でも何語でも行えるようになってもらおうと
思っています。もちろん他の言語での学習は大学に入ってからとか
自分の時間で行ってもらうことになるのでしょうが。
英語は単なる考えるためのツール。問題は考えの中身。
英語が読めなかったり聞けなかったりすると考えることができないし、
英語で書けなかったり話せなかったら発表もできません。
今日からの第2クールはそのための準備運動なのです。
今日もブログにおいで頂き、ありがとうございました。
6/18の勉強会は英語のプロが集まりますので
上に書いたことを取り上げて、アクティブラーニングを
してもらいます。満席になりました。楽しくやります。