KIMUTATSU BLOG
チームキムタツメンバーの教材活用事例

福島 卓也 先生

鳥取県 /

鳥取県立鳥取東高等学校

福島 卓也 先生

2012年11月。「女性にも教育を」と訴えていたパキスタンの15歳の女子が武装集団の銃撃を受けました。一命を取り留めた4か月後。砕けた頭蓋骨の穴はチタン板で覆われ,耳には聴力回復器具が埋め込まれ…でも彼女は逞しく生き続けています。彼女の名はマララ・ユスフザイ。「神に授かった新たな命は,人助けに捧げたい」と,マララさんは今後の夢をこう語ったそうです。こんなマララさんの境遇と生きざまに鳥取県のある高校生Aさんは「学ぶ意味」を見出しました。「マララさんにとって勉強とは生きることであり,存在の証明ではないかと思う」とは彼女の解釈。夢と目標を持ち,志高く毅然と生きる姿は,国境も世代も超えて人を啓発する力を持ちうるんですね。

「夢タン」「夢ジュク」「夢リス」「夢勉」…木村達哉先生が執筆・監修される教材・本の多くは,「夢」で始まるタイトルを冠しています。この軸は常に一貫。こだわりですらありましょう。しかしそれは木村先生にだけ限ったものではありません。木村先生をハブとして全国に広がる「チームキムタツ」メンバーも「生徒の夢をかなえるために!」という一念で「もっと生徒に力のつく指導を!」と日々奮闘しています。

今後,変化するのが当たり前の時代になります。ゆえに変化への対応力がよく取りざたされています。しかし,そうはいっても学びには不易というものがあります。人生は選択の連続だからこそ,その選択の軸になるものも必要です。その不易・軸をなすものに,自分の目標に向かって粘り強く努力する,思い通りにいかない状況にあっても頑張りつづけられる…そんな力があります。これはいみじくもマララさんが示してくれている通り。

ゆえに私達指導者は教えすぎることを回避せねばなりません。生徒が自分で考え,生徒が成長するのを辛抱強く待たねばなりません。あれやこれやとたくさんの手荷物を持たせて旅立たせるのではなく,獲物の取り方を習得させて旅立たさねば生徒の自立は促せません。学習する生徒も,自己実現を他者に依存する体質を払拭せねばなりません。自分で取りに行き,自分でやったことしか本物にはならないからです。

本校でも採用実績のある「夢タン」「夢リス」は,このことを生徒のみならず私達指導者にも教えてくれる良質の教材だと確信しています。温かさに満ちた生徒目線を忘れることなく編集され,それでいて徹底的に繰り返さないとものにはならないという学びの厳しさを容赦なくぶつけてきてくれます。「夢タン」が私達に夢を語りかけ,「夢リス」が毅然とした学習の仕方を指南してくれます。躍動感とライブ感を感じる教材ほどやりがいのあるものはありません。だからでしょう,使い込むほどに「夢タン」「夢リス」にはまっていく生徒が増殖していくのは…。

「チームキムタツ」の一員としての私の夢は,女性への教育が保障されるようになったパキスタンでマララさんとAさんが英語で人生と今後を語り合う姿に触れることです。Aさんが「夢~」シリーズに学んでいれば,もっと嬉しいですね。そうして「英語が使える」から「英語が使えたよ!」という声が卒業生達から聞かれるとき,私達の夢は叶い,そしてそれと同時にまた私達が次の夢に向かっていく原動力が生まれます。

全国の先生方そして高校生の皆さん,私達の恵まれた教育環境に感謝しながらまた今日も頑張りましょう!

Posted on: 2013年7月11日(木) 23:15  |    

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