朝日新聞に東京大学の副学長のインタビューが掲載されていて
非常に興味深いので、一部を転載して紹介します。
2020年度入試から導入される英語の民間試験について、東大は
成績提出を必要としない旨を発表したのはご存知のとおり。
民間試験をめぐる東大のワーキンググループ(WG)座長を務め、
議論に加わった石井洋二郎理事・副学長のインタビューです。
さすが東大だなと思った箇所を転記します。
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●異なる民間試験の成績を公平・公正に比較することは困難です
し、経済的に豊かでない生徒や地方の生徒が不利になるという
問題もあります。これらの課題が依然として残っているという
認識はWGでも入試監理委員会でも同じでした。
●今回の改革で一番問題なのは、途中から目的と手段が逆転して
しまったことだと思います。(中略)本来はまず高校教育で基礎力
を養い、その成果を問うために大学入試があるはずなのに
入試を変えることで高校教育を変えようとする発想で議論が
進んできた。これは逆立ちした考え方です。
●民間試験はあくまで手段のひとつでしかないのに、スピーキング
が含まれているというだけで、これを活用することがいつの間にか
目的化してしまった。これでは高校の授業が民間試験対策に
走ってしまい、教育が歪められてしまう恐れがあります。
●本末転倒の議論が続いているうちに、なんのための入試改革か、
忘れられていたのではないでしょうか。
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入試が変われば授業も変わるという発想が間違いという発言
がいいですね。そのとおりです。
入試が変われば授業も変わるというのは予備校的発想であり、
教育者の考え方としては、非常に強い違和感を覚えます。
以上、ご紹介でした。
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全国の先生方、何人かの保護者の皆さん、ありがとうございました。
灘以外の生徒たちに講演しているのに、灘の生徒たちの
授業を休むわけにはいきません。全力で彼らを伸ばします。