![todai3](https://www.kimu-tatsu.net/kimutatsublog/wp-content/uploads/sites/2/2018/02/todai3.jpg)
東京大学の今年の問題をやってみました。毎年、春先に分析
を依頼されるので、それに備えてやっておりました。
ちょっと出題傾向は変わりましたが、大幅に受験生の心を揺
るがすほどの変化はなかったのではないでしょうか。
強いて言うなら、ずっと自由英作文を出題し続けてきた東大
ですが、今年は和文英訳を出題したということかなぁ。
![writing1](https://www.kimu-tatsu.net/kimutatsublog/wp-content/uploads/sites/2/2018/01/writing1-224x300.jpg)
それでもこの本で言うなら、最初の練習問題で扱われている
程度の問題ですので、受験生も「お!和文英訳やん!」とは
思ったでしょうが、自由英作文をしっかり書ける英語力があ
る受験生にとっては、難度は低かったと思います。
以下、分析ね。
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大問1(A)大意要約
最終段落を中心にまとめればいいという点では易化(いか)。
昨年のほうが難度は高かった。
大問1(B)文補充・英語での要約
文補充は例年並み。英文要約はびっくりした受験生もいたか
もしれへんけど、この程度は簡単にこなしてほしい。全体の
レベルとしては並。
大問2(A)自由英作文
シェイクスピアの戯曲からの引用を読んで思った点を英語で
まとめる問題。そもそも読む技能がないと対処できないけど
合否当落線上にいるレベルの子なら大したことない。
レベルは例年並みとしよう。
大問2(B)翻訳型英作文
僕の本にも書いたけど、「よしとしているようでは」や「い
つのまにか」などの文言に振り回されないこと。そんなのは
和文英訳にとってはどうでもいい。高2進研模試レベル。
大問3リスニング
スクリプトを見て判断するしかないけど、(A)(B)がマサイ族
のシステムについて、(C)が巨大な波の仕組みと対策につい
てのスクリプトで、全部合わせると1700語ぐらいある。
1700語のリーディングもできない生徒は聞けないだろうな。
昨年との対比で言えば、間違いなく難化したと思うけれど、
それはあくまでもスクリプトを見ただけの感想ね。
![todai2](https://www.kimu-tatsu.net/kimutatsublog/wp-content/uploads/sites/2/2018/02/todai2-300x201.jpg)
大問4(A)整序英作文
並べ替え問題は久しぶりじゃない?ここのところ「文中の誤
りを訂正しなさい」やったから。解いてみたけど、ちょっと
めんどくさい問題が多いように思う。いつと比べるねんって
感じるかもしれへんが、2015年に出題された整序英作文と比
べると、問題数が4題になったのも含めてちょっと難化。
大問4(B)英文和訳問題
毎年のパターンと毎年の難易度。構造分析など要らないとか
テキトーにでもたくさん読んでいれば英語力は上がるとか、
そういうノー天気なことを言ってる教員に教えられている生
徒には対処できなかっただろうけど、しっかりと日本語を作
り上げることにこだわる先生に教わっている生徒にとっては
それほど難しくはなかったのではないか。昨年度対比で易化。
大問5長文読解問題
耳の不自由な女の人とその母親の心情を読み取るのは、普通
は子どもを産んだことのない受験生にとっては難しいと思う。
そういう意味で日本語で書かれたものでいいから、小説を習
慣的読んでおくことも必要やと思う。設問自体は難しくはな
かったと思うけど、上に書いた点で母親の心情が読み取れな
いと、和訳にしても並べ替えにしても、けっこう難しい。
どうかなぁ、昨年度対比でちょっと難化にしておこう。
![todai1](https://www.kimu-tatsu.net/kimutatsublog/wp-content/uploads/sites/2/2018/02/todai1-300x192.jpg)
全体としては昨年並みやと思う。ただ、これは毎年のことで
はあるけれども、これを90分(リスニング除く)で仕上げる
のは18歳や19歳の子にとってはかなりタフ。
その点で英語力も重要やけど、情報処理能力とか時間内でで
きるだけ多くの仕事を片付ける能力がない子は絶対に合格で
きない。東大に限った話ではないが、東大が一番顕著。
技能的に言えば、大学に入ってからのことを考えると、読む
力と聞く力のない受験生にはハードルが高い。
「4技能4技能って言うてるけど、一番大事なのは受信(読
む+聞く)する力やで」という東大の独り言が聞こえた気が
した。それも毎年のことやけど。
以上、今年も東大は楽しませてくれました。感謝。
今日もブログにおいで頂き、ありがとうございました。
作問する人たちを尊敬します。勉強になる。