KIMUTATSU BLOG
木村達哉のブログ「キムタツブログ」

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多読用の読解素材について

Posted on: 2009年8月27日(木) 18:30

甲陽学院中との試合にて 

今度の29日は公式戦が終わると大阪まで行き、授業力向上セミナーで講演を
行うことになっています。高1の教科書から入試までの長文指導についてです。

180名弱の先生方がお集まりになっているそうで、やや緊張しております。
特に高1の英語Ⅰの教科書って、いかようにも授業できますし、そこは学校の
実情に合わせてやればいいと思うのです。

ただやはり教員は自分以外の授業スタイルをあまり知りませんから、このような
機会を最大限に利用して、研鑽を積むのが一番いいと思うんです。

上から参加せよと命じられる系の研修よりも、自分で「これに参加してみよう」と
思うような研修のほうが、何百倍もためになります。

その点で土曜日なのに、さらに有料なのに、遠くから参加される先生方は凄い
なと感心しております。私も講師のひとりとして、お役に立てればと思います。

B社山田君

さて、前にこのようなコメントを頂戴しております。時を同じくして、ある先生から
同じような内容の質問メールを頂戴しましたので、ご紹介しておきます。

******************************

英語の多読について質問です。
東大の理科一ニ類を志望している者ですが、多読用に長文問題を解くべきか
サイドリーダーを読むべきか迷っています。
サイドリーダーを読む事になっても長文は1日1題は解こうと考えているのです
が、どちらが良いのでしょう?

******************************

サイドリーダーってのはたぶんPenguin ReadersやOxford Bookwormsなど
の、いわゆるGraded Rreadersのことやと思うんですね。

英語の教員であれば誰でも知ってるとは思うのですが、このGraded Readers
ってのは、要するに単語や文法のレベルを落とし、英語の学習者が辞書なしで
読書というか多読を楽しめるように作られた教材なのです。

灘でも夏休みの宿題としてお使いになる先生もいらっしゃいます。

題材は親しみやすい内容が多く、レベルも、レベルゼロからレベル10まで多岐
に渡っていて、どんどん読み進めることを目的としています。

いちいち止まっては辞書をひき、辞書をひいては少し進み、また止まっては・・・
という感じの読み方ではあまり意味がありません。どんどん読むのです。

多少知らない語句があったとしても、です。

で、僕も以前、こういう教材を買って生徒たちに勧め、読ませたことがありますが
そのときは指示が不適当やったのか、とにかく失敗しました。

生徒たちがちゃんと読めない。

日本語の小説も読まない生徒たちに、英語で書かれた長い教材を勧めたのが
良くなかったのかもしれませんが、とにかく読めませんでした。

宿題テストをやったのですが、その本に関して言えば惨憺たる結果で、あとから
生徒たちに聞いてみると、ほとんどぶっつけ本番やったということでした。

つまりGraded Readersを読まずにテストに臨んだということです。

理由を聞いてみると、「読めない」「興味がわかない」といった回答が多かったよう
に思います。それ以来あまりこの手の本は採用していないのです。

サイン色紙

もちろんちゃんと読めば力はつくし、普通の原書より易しく書き直してくれてあるの
ですから、ずっと読みやすいものになっているのですね。

だから読めるのであれば、何冊も読んだほうがいいと思います。以前から言って
いるように、語彙とか文法を覚えたらどんどん多読するほうがいいに決まってる。

だけど例えば入試の長文のように、長くてもだいたい500~800語ぐらいの方が
自分には読みやすいし、「いくつ長文を読んだ」という「数」が励みになるというの
であれば、Graded Readersではなく、問題集に載ってる長文だけでもいい。

このコメントをくれた人は「サイドリーダーを読むことになっても長文は1日1題は
解こうと考えている」と言ってくれていますから、その点では問題ありません。

いろんなものを読むという点では、入試に出題されるようなある程度パターン化
された論説文とGraded Readersで扱われている小説を両方読んだ方がいい。

でもGraded Readersみたいなのはどうも長くてなかなか終わらないし、設問が
付いていないので、ちゃんと読めているかどうか不安だという人は、入試問題集
の長文だけでもいいのではないかと思います。

もしもGraded Readersを使うのであれば、「ちょっと易しいかな」と思うレベルの
ものを選ぶのがコツです。上にも書きましたが、あまりにも知らない単語や表現が
多いと、どんどん読み進めることができないからです。

長い文章をまさか「これがS、これがV」なんて言いながら読んでいくことはできま
せんから、ある程度の力が備わった人向けではないかなとも思っています。

数字がかなり落ちてしまいました(>_<)
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(追記)ようやく『ユメタン』ゼロのデータベースが完成しつつあります。
     問題はここからだ!

 

 


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