KIMUTATSU BLOG
木村達哉のブログ「キムタツブログ」

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ピーターセン先生の名著を読んで

Posted on: 2009年9月28日(月) 9:07

講演後の風景
(瀬戸高等学校で講演をしたときの光景です)

予定というのは怖ろしいもので、メモしとかないと予定どおりには進まないね。
このシルバーウイーク中にやるはずだった仕事の1/4も終わってない。

おーまいが!

そもそも時間がないのに、手を伸ばすところに読みたい本がたくさん置かれ
ているので、ついついそれらを読みふけってしまうのです。

おーまいが!

いま、再読しているのが、マーク・ピーターセン先生の『日本人の英語』です。
続編もあるのですが、今はその続編のほうに移ったところです。

この2冊を読むのも何回目?っていうぐらい何度も読んできたのですけれど
かなり勉強になります。あぁ、そうやったなぁと思いだしながら読んでる。

うちの生徒たちには、彼らが高1ぐらいになれば推薦しようかな。

せめて高校英文法をひととおり終わらせたほうが面白いからな。

特に冠詞の使い方についてはかなり勉強になります。日本人が苦手な部分
のひとつが冠詞であり、単数・複数なのですが、明快に説明されています。

英作文の添削をしていると、冠詞の使い方を間違えている答案がほとんど。

逆に冠詞や単数・複数、あるいは時制や呼応という極めて基本的な部分が
間違えていない答案は極めて点数が高いということになります。

簡単にいえば、theは話者同士や筆者・読者が共通してわかる特定のもの、
つまり2人が共通認識しているものに対して付くのだと、我々は教えます。

話者同士が「いっせーの、どん!」で、同時に指をさせるモノや人があります
けれども、それにtheを付けるのだと、学校では教える。

でもピーターセン先生が仰るのは「名詞に冠詞が付くのではなく、冠詞に名詞
が付くのだ」ということです。最初に冠詞があって、その後に名詞が付くと。

確かに出てくるのは冠詞が先ですからね。

会話してると「ほら、あの・・・あそこにある・・・なんやっけな、ほら、わかるや
ろ?あれやん、あれ。」という感じで言葉が出てこない語がありますよね。

それこそ、the・・・と言いながら口澱みつつ名詞を探してる瞬間なのですな。

a(n)は共通認識のない名詞の前に置かれる。いくつかあるうちのひとつとか
あるいはひとりを表す名詞の前に置かれるのです。

それも、まずはa(n)があって、そこに名詞が付くと。

だからsunやmoonなどにtheが付くのは当然です。誰でも「太陽」や「月」は特
定できる。特定できない「太陽」や「月」はないですからね。

面白いのはrefrigeratorにはtheが付くのに対して、microwave ovenにはmy
やherが付くっていうところです。

まだ読んでいないという人はぜひお読み下さい。すでに読んだという人も再読
されることをお勧めします。

読まれる際、本書にはたくさんの英語が例文として出てきますが、まずは訳を
見ないで自分で訳してみましょう。2冊読み終わる頃には結構な力がついてる
のではないかと思います。

 

(追記)関係代名詞の先行詞に何でもかんでもtheを付ける人がいますが、
     限定されているからって、必ずしもtheが付くわけじゃないのですぞ。
     「~のうちのひとつ」を表す場合はa(n)+名詞+関係代名詞になり
     ます。詳しくは学校の先生にお聞きください。

 


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