KIMUTATSU BLOG
木村達哉のブログ「キムタツブログ」

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単語集の選択について思うこと

Posted on: 2010年1月22日(金) 13:34

ジュンク堂新宿店さん

『ユメタン』という単語集は、僕は現時点では最強の単語集だと思っているのです。
それは自分で作ったからという意味ではありません。

今まで英語を教える仕事を20年以上やってきて、どの単語集を見ても足りないな
という思いでいっぱいでした。どれもがいいんだけど、帯に短し襷に長しです。

たとえば何らかの要素が足りない。CDが付いていないと、それだけでダメです。

逆に派生語などの指示が多すぎたりする。情報が多すぎる単語集もダメです。

僕にとっては、です。灘の生徒たちにとっては、ということです。

だってそれでなくても単語を覚えないのに、派生語は必要最小限にしといてもらい
たい。必要なものだけでいい。多すぎると全部覚えようとして、結局忘れてしまう。

例えば『システム英単語』ですが、これはすごくいい単語集だと思うんです。だから
『ユメ勉』の最後の「お勧め50冊」にも含めました。

でも学校で採用するにはちょっときつい。CDが高いんです。本だけだと手頃やし、
内容的には(フレーズをもうちょっと工夫したいが)悪くないんです。

CDを使わないと単語の定着率が落ちるのは、英語のプロなら誰でもわかることで
ところが様々な理由で、本にCDがつけられないことがあるんです。

だいたいの理由はコストとプライスのバランスです。コストをかけすぎるとプライス
が高くなります。まぁ、当然のことですね。

『システム英単語』の著者の先生だって、本にCDを付けたかったと思うんですよ。
でも付けると値段が上がる。だから無理だって言われたんじゃないかと。

CDを別売にすると、怖ろしく高くなります。だから読者がお金に余裕のある時に
書店さんで買うぶんにはいいのです。お年玉でCDを買おう!はOKですよね。

でも学校一括ではなかなか採用しづらい。別売のCDまで採用できないのです。
 

Yumetan 1

だから『ユメタン』を作ったんです。数百人のプロのご意見を吸収して。CDを付けて
派生語は必要最小限にして、チェックテストを語順をバラバラにして作り、CD自体
を確認テストにしました。これで自学自習ができる単語集の完成です。

昨日もハーバード大に行きたいという生徒が、『ユメタン』3までを早いうちにやって
次の段階に進みたいが何をすればいいかと聞きにきてくれた。

当然のことだと思います。『ユメタン』3までやれば、アメリカの放送だって聞ける。
嘘だと思ったらやってみればわかります。そういう作り方にしたから。

今回のセンター試験には『ユメタン』1の単語が非常に高い確率で出題されていた
と、調べてくださった東京の先生が数字まで示して教えてくださいました。

これもそういう作り方にしたから、当たり前といえば当たり前なのです。『ユメタン』
に掲載する単語や語順については、ものすごく精査して考えたので。

今までの単語集とはちょっと違う並びになっているものもあるとは思いますけれど、
でもちゃんと調べればこうなるのではないか?という並びにしてあるのです。

コーパスはアルクさんのコーパスを使って、外国の方に何度もチェックして頂いて、
できるだけ親しみやすく、覚えやすいフレーズを作りました。

CDの「日本語→英語」は、通訳学校で教わった方式です。

「日本語から英語に直す方式で、瞬時に単語が出てこないようでは、『単語力があ
る』なんて言ってはならない」と言われました。だから『ユメタン』もそうしました。

1週間に100語がきついという人は、たぶんやってない人です。やればわかる。

だって僕、西大和時代に偏差値40台の生徒たちにもやっていて、当時の彼らが
どんどん阪大や神大、早慶や関関同立に合格したのが、1週間100語です。

そういうプロセスまでわかってるからこその「最強の単語集」なのです。

YUMETANS

でもどの単語集もいい単語集ですので、自分の学校で採用されている単語集を、
大事に大事に使って、最後まで完璧に覚えてほしいと願っているのです。

それぞれの本に、それぞれの著者の想いが、そして買われた先生方の想いが、
大きく込められています。もちろん僕の本にも。

『ユメタン』なんて良くないよ!こっちのほうがいい単語集なんだ!という人はまだ
まだガキです。そんなことを言うてる人は全く大したことありません。

「何を使ってるんだ!『ユメタン』のほうがいいに決まってる!」という人もダメです。
推薦するのはいいけど、他の本をけなしているようではダメです。

どの単語集も素晴らしいのです。ちゃんと使ってあげてください。それぞれの本を
尊重するところから入らないと、勉強する資格すらない人間ということになる。

僕にとってのベストは『ユメタン』です。灘の生徒たち、僕の生徒たちにとってのベス
トは『ユメタン』です。僕が作った本なので、使い方を誤ることは絶対にないから。

でもだからと言って、僕がそれ以外の単語集を使っている人たちを見て、「絶対に
『ユメタン』のほうがいいのに」と言うことはありません。当たり前のことです。

それぞれの用途、ニーズに合った単語集を選べばいいのです。

たくさんの単語集があります。だから選ぶのは大変だと思います。でも選んだ1冊
はあなたと何らかの縁があるのです。それは本だけではないけど。

服だって車だって家だって、そして家族だって友達だって縁があるのです。

せっかく自分で良いと思って選んだ単語集なのですから、途中で投げ出すのでは
なく、最後まで頑張ってみましょう。

大事なのは「使い方を誤らない」ということと、「覚えるなら気合いを入れて覚える」
ということです。どちらが抜けてもダメです。

 

(追記)田島君から『ユメジュク』を作ろうと。わかったけど、熟語って何なんだ?
     no more thanは熟語じゃないよね。これを載せるなら、no taller than
     とかno fewer thanまで載せないと。「熟語&慣用表現集」にするか。

 


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