KIMUTATSU BLOG
木村達哉のブログ「キムタツブログ」

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ケアレスミスはもったいない!

Posted on: 2007年11月26日(月) 12:30

自由英作文 

この週末も野球でした。練習試合ですけどね。第1試合はワンチャンスをモノにして勝ち、逆に第2試合はワンチャンスをモノにできずに負けました。練習試合ですので、この勝敗を次に活かしてくれれば問題ありません。

今年はこれで試合がありません。来年の2月の第1日曜からまた試合を行うことになると思うのですが、それまでの冬場に走りこみや素振りなどの基礎トレーニングをどれぐらいやってくれるのかを楽しみにしております。

勉強に関して言えば、僕や親がやれと言わないとやらないようでは伸びません。定期考査ならそれでもいいんでしょうけれども、実力をつけるためには自分で自分のお尻を叩きながら、あるいはライバルと切磋琢磨しながら、自発的に勉強をしないと伸びません。

実はスポーツの世界もそうです。全体練習をしている間の伸びはみんな一様でしてね。そこから抜け出してレギュラーになりたいとか、試合に出たいとか思うのであれば、みんなが帰ってから、あるいは自宅に戻ってから、自発的にどれぐらいできるかが勝負です。

彼らのヤル気に期待したいと思っています(^^)

新刊

現在、高3(と、一部高2)の自由英作文の添削をしているのですが、そこで気がついた点を書いてみます。

昔の受験生の皆さんはもしかしたらご存じないかもしれませんが、今の大学入試の英作文の本流は京大や阪大タイプの英作文ではなく、自由英作文なのです。自由英作文を課す大学のほうが(少なくとも国立大は)多くなってるかもしれません。

自由英作文が出題される大学を受験する生徒たちにとっては、とにかく正確に書ければほとんど減点されないもので、その意味では得点源になるわけですから一所懸命に勉強するのですね。

僕はとりあえず東大であれ阪大であれ、Z会の『英作文のトレーニング自由英作文編』をやった後で『東大英語ライティング&グラマー』をやるように指示しています。ここで言う「やる」は2~3周はやって潰すことを意味します。

前者はちょっと古いんです。イラストの問題などももう少し工夫してくれればええねんけど、と思うようなものもあります。が、解説がちゃんとしているのでいいかなと思っています。解答例も2つずつついていますしね。

後者は僕の著作ですが、解説を詳しくしてあるのと、解答例が4つずつついているので(ネイティブのも含めてです)これも添削をしてくれる人がいないという受験生にも使ってもらえるように、できるだけ配慮して作ったのですね。

で、その両方をやると約40題ぐらいになりますので、それを3回ずつ繰り返すとのべ120題の自由英作文を解くことになります。それぐらいやればだいたいの問題はできるようになるのではないかと思います。

あとは赤本などの過去問を直前に何度もやって、その大学のレベルを確認するような形でいいかと思いますね。すでに赤本をやっている人もいますが、もちろん問題ありません。

でね、今その後者の添削をやっているのですが、英語に関してはかなりミスが少なくなってきました。

最初は驚くようなミスが多発しておりまして、ひどいのになるとThese graph is showing that…とか、The mother wait for her hasband with two child.なんてムチャクチャなのもいっぱいありました。

え?どこが間違えてるのかって?それは自分で探したまえ(笑)

アバンティブックセンター 

で、そういうミスがだんだん少なくなってきたのはええねんけど、最近目立つミスがあってね。それは内容的なミスなんです。作問者の意図を取り違えているミスが増えてきてるんやないかと思いますね。

たとえば『東大英語ライティング&グラマー』をお持ちの方はイラスト問題で、母親が子供に買い物に行ってほしいと頼んでるのに子供がそれを断って遊びに行き、母親が仕方なく忙しい中を自分で出かけていった挙句、近所の奥さんと井戸端会議に興じてしまい、もう夕暮れ時になってもまだ相手と喋っているのに対して、遊び終えて帰ろうとする子供が何か文句を言っているイラストを英語に直す問題があるのをご存知ですよね。

この問題はもちろん僕が作ったオリジナルなんですが、作問者の意図はどこにあるのでしょう?

4コマ漫画ですから、それぞれのコマの内容を英語で表す必要はあります。しかし大事なのはそれ以上に、それぞれのコマの中で登場人物が何かを言っていて、その吹き出し部分が空白になっています。さらに「吹き出しの台詞を書くのではない」という注意が与えられています。

つまりこの問題、東大でも似たようなのが以前出題されましたが、間接話法の知識を発揮して、tellやsay、あるいはanswerやcomplainなどの動詞を使って、母親が子供にどういう内容のことを言おうとしているのか、あるいは子供がまだ喋っている母親に対してどういう内容のことを叫んでいるのかを書かないとダメなのです。

それをShe is still talking with her friend in front of the store, and her son is getting upset.なんて書いても意味がなくて、間接話法を使っていない時点で、下手をすると採点対象外になってしまう(つまり0点になる)可能性だってあるのです。

東大ってのは限られた時間の中でどこまで正確に読み、書き、聞けるかを試す試験を課します。ですので速く解こうと思うあまり、じっくりと与えられた日本文を読まないケースが多発しているのですね。

出題者がどういうことを問おうとしているのかをしっかり読むことです。

そういえば以前大意要約問題でも、「全文を要約せよ」ではなく「この内容からどういうことが言えるか」という問題が出ました。要するに書かれている内容を一般化するということが求められました。

しかしそれをちゃんと読んでいない受験生は「今年もきっと要約だろう」と思って、全文を要約したのではないかと思うのですね。こういうことってのは模試などでもよくありまして、痛い目に遭った人もいると思うのです。

確かに今の大学の問題ってのは速読速解力が問われていますので、速く処理しないとダメなのですが、最低でも与えられた設問文についてはしっかりと読み、出題者が求めている内容を確認する余裕は必要だと思いますね。

作問する側としては合格者と不合格者を分ける試験を作らないとダメなので、至るところに落とし穴を仕掛けます。せっかく合格する実力を有していながら、そういうところに引っかかるのは極めてもったいない。そういうのこそケアレスミスというのです。

試験会場に入って他の受験生を見たら、そして開始のブザーが鳴ったら、だいたい誰でも緊張するものですが、設問文だけはしっかり読んで、作問者の意図を正確に理解しましょう。それこそ試験を解く第1歩です。

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(追記)発売中のアエラEnglishの1月号は単語力をつける特集でして、僕も写真入りで出ています。

(追記)飲み会が続いたので・・・太りました(涙)

 

 

 


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