KIMUTATSU BLOG
木村達哉のブログ「キムタツブログ」

日別アーカイブ: 2011年9月2日

kimutatsu

遠藤周作文学館にて

Posted on: 2011年9月2日(金) 18:26

 

 

 

 

 

 

(グラバー園の前にある土産物店です。私じゃないよ。)

長崎といえばさだまさしですね。僕も丸山先生も春奈先生もさだまさしが大好き
でして、中高生の頃はよくさださんの曲をギターを弾きながら歌ったものです。

で、長崎に行く前にいろいろと調べていたのですが、さだまさし以上に木村の魂
をブンブン揺さぶるものを発見したのです。

遠藤周作文学館。

ご存知のとおり、遠藤周作先生は灘の卒業生ですが、それとは関係なく僕は彼
にあこがれて慶応の文学部を受験したぐらいファンなのです。

その記念館が長崎にあると知って、セミナーが終わった翌日に連れていってもら
いました。

でも行く前にすることがあります。それは彼が『沈黙』という小説を書くきっかけに
なった踏み絵を見ることです。以前は十六番館にあったそうなのですが、今は閉
館していて、彼が見た踏み絵がどこにあるかわからないのです。

というわけで、まずは長崎歴史文化博物館へ行って、遠藤先生が見たのとは違
うけれども、実際の踏み絵を見ました。

 

 

 

 

 

 

 
現存する真鍮の踏み絵19枚のうちの1枚です。残念ながらこの1枚しかなかった
のですが、踏み絵を見ることができて大満足でした。

そして30キロほど離れた、外海というところにある遠藤周作文学館へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
いずれも文学館から見える海です。海以外は何もないってぐらい、海です。感動の
あまり声をあげてしまうぐらい美しい海やった。

遠藤周作先生の作品はもう読みつくしていて、何を読んでも再読になってしまうぐら
いなのですが、読めば読むほどに深く、そして人間に対する興味が湧いて出ます。

イライライしているときも「木村よ、そんなことで怒っていると神様に人間の浅さを笑
われてしまうぜ」と言われているような気がして、思わずシャンとします。

 

 

 

 

 

 

 
遠藤先生の書斎に置かれていた机や椅子を目の当たりにし、あるいは彼の系譜と
か若かった頃からお亡くなりになるまでの写真を舐めるように見ては、自分の若か
った頃からの思いをつのらせておりました。

さらには展示されてある自筆の原稿を見ては、人知れず涙を流しておりました。こう
いうのはおそらくAKBに歓声を送るF君やS君とたいして変わらぬかもしれぬ。

小説家なんてのは「大説」を持たない人間だという彼の言葉が好きですが、僕も気
が付いたら人の前でえらそうな顔をして「大説」をぶっていることが多々あります。

小賢しさを捨てることができず、また謙虚さを忘れてしまうこともあります。

なにか遠藤先生に全て見抜かれているような気がして、だけど残りの人生をまた一
生懸命に生きて、彼のようにワクワクしながら少年のままで死にたいと強く思いまし
た。熱くて、だけど静かな気持ちで文学館を後にしました。

 

 

 

 

 

 

 
遠藤周作先生の『悲しみの歌』を読み返しているところですが、またこれを機に彼の
著作を読み返していこうと思っています。

長崎、とても良いところでした。いい思いばかりさせていただきました。

長崎東高校の一ノ瀬先生と遠藤周作先生に、心よりお礼申し上げます。

 


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 日記  

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