KIMUTATSU BLOG
木村達哉のブログ「キムタツブログ」

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数研出版の『UNITE』を採用して

Posted on: 2009年12月15日(火) 12:35

僕と山田君
(チームキムタツ関東支部の・・・全員がこうじゃないよ)

ヒアリングマラソンを聞きながら英語の採点をしています。ちょっとやっては
休んで、そしてこうしてブログに向かい、ちょっと文章を書いては採点に・・・

そんなことをしとるから終わらんのだと思うでしょ?

それは違う。

ここまでやったらブログを書こう。ここまでやったら本を読もう。ここまでやった
ら吉田拓郎を聴こう。ここまでやったらメーリングリストに返信しよう。

そういう感じでこまめにやる気を管理しないと続かんのですわ。

昨日、チャートの佐々木君が来校。僕が中3の先生に頂戴した書道Ⅰの教科
書を見ているときにいらっしゃった。 

ササキ:先生、こんにちは。お世話になります。
キムラ: こんにちは。お世話になっています。ところでササキ君、数研ってさ、
      書道のテキストある?
ササキ:先生、すみません。ありません。
キムラ: ないの? じゃあ今日は何も用事はないなぁ。

なんて冗談を言いながら、新しい薄物が出ましたと見せてくれました。書名は
『UNITE 英語総合問題集』のSTAGEゼロという学校採択専用品。

リスニングCD付きで562円。安すぎる。デフレもいいとこだ。ケシカラン。

というわけで、全ての文章が150から220語からなる長文(短文?)が15題
あって、中学レベルの文法が復習できるということ。

突然の営業で採用なんてしたことない木村やけど、実は1月から生徒たちを
いじめ・・・否、鍛えるための読解問題集を求めていたので、採用させて頂く。

手渡された瞬間に「ササキ君、採用するわ」というと、信じてもらえない。

「え?ホントですか?でもまだ何も説明してないですが・・・」

いいのだ。腰が低くて、僕が書道のテキストを見ている間、他にもきっと用事が
あるだろうに、ずーーーっと待っていてくれたことを僕は知ってる。

タイミングをはからずに近づいてくる営業の方が多い。それでもこちらはでき
るだけ笑顔で接することにはしてるけど、でも忙しい時は教材を見る時間的
余裕がないので、結局は採用に結びつかない。

タイミングを計ってもらえると、とても話が聞きやすい。

業者の方が下で、こちらが上なのではない。それは誰かと喋る際や電話をす
る際の礼儀なのだ。だから夕食を食べていると思われる時間に電話をかける
人は、残念だけど仕事ができない人だというレッテルを貼られてしまう。

「1月8日から学校が始まるから、そのときぐらいに納品してください」
「えーーー!ホントですかぁ!ありがとうございます!」

という会話をした後、隣の前川君が「珍しく、採用しそうな気がした」と笑顔。

石川君
(これはアルクの営業マンの石川君です)

どういう基準で採用するかというと、それは一言。「自分で使い方がイメージで
きる本を採用する」としか言えない。

教員が自分で使い方がわからない本は、生徒たちにもわからんと思う。

僕が『UNITE』のSTAGE0を採用したのは、渡された瞬間に使ってる自分の
イメージが頭に浮かんだからで、使い方がイメージできないと採用できない。

以前、教員になりたての頃、『速読英単語』を採用したけど、結局自分が未熟
だったこともあって失敗した。使い方がわからなくって。

「まず左ページを見て読みなさい」と指示したところ、「先生、読めません」と。
確かに英文が難しくて、とても初見で読めるようなものではない。

では後ろにある単語のページを見て、最初に覚えてしまいなさい。そのうえで
英語のページに戻って読みなさい、と指示。

先生!単語テストはどういう形でやるんですか?と生徒たち。

単語のつづりと意味を書いてもらうよ、と僕。

結果的に生徒たちは単語のページしか勉強しなくなってしまいました。

そこで英語の文章を読めたかどうかの試験に切り替えた。ところが生徒たち、
右ページにある全訳を読んだ上で、左ページを読むようになってしまった。

そうすると以前より単語の定着率が低くなってしまった。読解力も落ちた。

『速読英単語』はいい単語集なんだろうけど、学校で使うのは難しいと思って
いて、だからちゃんと使っている先生方は凄いなと思ってるのです。

ササキ君が持ってきてくれた『UNITE』は手渡されて開いた瞬間に使い方が
イメージできた。これはなかなかいい。

生徒たちに問題のページを開かせて、時間を5分から7分与えて設問を解か
せる。構造分析をする暇などない。スキミングしないと時間がない。

そして3題の設問をその時間内に解かせる。できた生徒から解答解説を開い
て、自分で答え合わせをする。

僕? 僕は教卓のところにボンヤリ座って時間を計るという重要な役割があ
るじゃないか。生徒たちの邪魔をしてはいかん。

時間がきたら全員が答え合わせ。ここまで授業開始から10分もかからん。

わたしです
(これは僕です)

授業時間はまだ40分もある。次は解答冊子の全訳のところを見ながら音読
する。文法的なことや文構造がわからない生徒は挙手すればよろしい。

音読する際は意味を確認しなければ効果が全くないので、全訳は必須だ。
全訳のない音読はあり得ない。

音読の方法を書き出すと長くなるので、またそのうち書きます。

音読しながら、Read & Look Upを繰り返す。読んでは顔を上げ、その英文を
空で言えるように頑張る。そしてその150語から成る文章を全て暗唱する。

次はB4の白紙を配布して、覚えた文章をどんどん書きつけていく。こうすれば
綴りがあいまいだった単語をピックアップして覚えなおすことができる。

いわゆる「暗写」です。この時間がなければ次の時間にやることになる。
宿題にはしない。暗写を宿題にしても意味がない。サボろうと思えばサボれる。

これを繰り返せばこの1冊が終わる頃には15題の長文を全部覚えることに
なるので、僕が指導しなくっても英作文の力とスピーキングの力が怖ろしく!
身につくことになる。

そこに英文法の「音読→Read & Look Up→暗唱→暗写」と、『ユメタン』でも
同じ作業を繰り返すことになるので、英作文の授業は必要ない。

高2が終わる頃には鉄板の英語力がつくことになるってわけです。

英作文の授業は高3でやるが、それは英作文というよりもむしろ「与えられた
日本語をいかに加工するか」ということに主眼を置いた授業になります。

チャートの皆さん、素敵な本をありがとうございました。これを使って、生徒ら
の英語力を高めます。生徒たちは僕を悪魔と呼びますが、卒業する際には
エンジェルと呼んで学校を出ていくことになる。それでいいと思っています。

教員が妥協しなければ、絶対に生徒たちの英語力はアップすると信じてる。
僕が妥協しなければ、生徒たちも妥協せずに頑張ってくれると思っています。

 

(追記)アルクの方々が作ってくれた『ユメタン』の使用事例を集めた冊子が
     全国の先生方に好評なんだそうです。実際に使っておられる先生方
     の声を集めた冊子ですが、とても参考になります。
     ご希望の先生方はアルクの石川君か矢部君か原田さんまで。
     ちなみにそこに載ってる神奈川大の久保野さん、ちょっと痩せたね。

 


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