KIMUTATSU BLOG
木村達哉のブログ「キムタツブログ」

日別アーカイブ: 2011年2月27日

kimutatsu

2011年度東大入試プチ分析

Posted on: 2011年2月27日(日) 9:49

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日から大会が始まり、昼過ぎに終わりまして、その後、橋本恭先生と電話
で喋った後に帰宅。夜は八私学野球25周年のパーティーが宝塚Hであって、
帰宅後花粉症に負けて爆睡。

また書きますが、昨日の1回戦は2-1で勝ちましたので、2回戦に進出で、
今日の相手は神戸龍谷中学校です。第4試合。

第3試合は主審を務めねばならないので、腰をいたわらねばならぬ。重労働。

あ、それより朝から東大の入試を解いてみました。僕なりの分析をしてみます。
一部、予備校などの分析とは異なるかもしれないけど、灘の生徒たちを教えて
いる立場から、難化とか易化(いか:やさしくなることね)とかの分析をしてみた
いと思います。

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大問1(A)3段落から成るパッセージを70~80字の日本語に要約する問題。
       オーソドックスだし、字数の与え方も適切。標準レベル。

大問1(B)パラグラフ整序の問題。今年は(B)と(C)に分かれたので語数は
       増えたけど、内容的にも難度的にも難しくないと思う。易化。

大問1(C)パッセージ中の不要な文や追加文の位置を答えさせる問題。面倒
       臭いのは面倒臭いけど、難しくはない。易化。

大問2(A)従来通りの設問だし、拙著『東大英語ライティング&グラマー』でも
       この手の問題はたくさん作った。これは易しいと思う。

大問2(B)いつも書いてるとおり自由英作文は得点源やけど、この問題に関し
       て言えば、文章の展開を考える力がないと高得点は貰えないかと。
       understandとpainを1回しか使えないとあるが、それなら言い換え
       をすればいいだけだ。内容が哲学的なので、やや難としよう。

大問3(A)実際の放送を聞いたわけではないのでなんとも言いがたいけれども
       スクリプトと問題を見る限りでは例年どおり。landscapeの概念につ
       いては面白いし、東大らしくていいな。

大問3(B)久々に(B)と(C)が連続したものになった。(B)は質問も英語になっ
       ているという点でやや難。だけど実際の講演を聞いてればわかるが、
       講義やプレゼンの最後に質問が為されるのが普通で、最初から印刷
       されている講義やプレゼンなんて存在しないわけで、その点では社会
       人にとっては設定は普通とも言える。ま、でも受験生にはやや難。

大問3(C)今年からディクテーションがなくなったんやね。正直そのほうがいいわ。
       だってディクテーションができるかどうかを問うのもどうかと思う。大事
       なスキルなのでディクテーション自体は否定しないけど、それより大事
       なことは、細部が聞きとれなかったとしても、全体を聞いてちゃんと相手
       の言っていることが理解できる能力なんやから。標準レベル。

大問4(A)誤文訂正問題。かなり簡単。連続した2語を書かねばならないってこと
       はつまり、正解は文中に同じ語が2つ以上あって、そのうちのどれかを
       確定させねばならないってことですな。(2)のareがそれにあたる。

大問4(B)英語を日本語に翻訳する問題。構造的にも内容的にも標準レベル。

大問5   小説の読書の問題。個人的に小説は大好きなので、東大の問題にし
       てはエライ簡単やなと思いながら読んだけど、読書慣れしてなかったら
       そうでもないのでしょうか。ま、でも個人的分析なので易化としておく。

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と、ここまでだいたい易化と標準を並べたけど、それはあくまでも各設問を個別
に見た場合の分析なのです。全体としては難化したと思う。

つまり何を言いたいかと言うと、やはり1つ1つをじっくり考えて解いてはいられ
ないわけで、情報処理速度の遅い人は合格できないシステムになってる。

YAHOO知恵袋のカンニングがあった京大に比べると、頭のキレみたいなもの
が求められるし、だから官僚養成大学なんていわれることもあるのかもしれぬ。

高校生にはちょっと問題数が多すぎるのではないかと、個人的には思う。

それと進学校の教員なら誰でも知ってることではあると思うが、老婆心ながら。
東大に入った教え子が、東大にはやたら帰国子女がいるって言ってたけれど、
きっと大問3のリスニングで点が取れればかなり有利ってことになろう。

昨年度あたりから『東大英語リスニングBASIC』を、進学校で採用するところ
が増えているが、先生方はわかってるってことだ。

センター試験リスニングに比べて速度は速くはないが、長い時間英語を聞い
ていられる、それでいて普通に「人の言うことが理解できる」人を求めている
ってことになろう。だから講義やプレゼンのような問題が出題される。

それから得点源の大問1(A)、大問2、大問4あたりで落とさないことも大事。
大問4(A)や(B)などは読書した文章をちゃんと復習すること。特に大問4の
誤文訂正は文法力が問われてるのではなく、やはり読解力が問われてる。

復習の仕方やそもそもの読み方、速読の方法については、『速読特訓ゼミ』
に詳しく書いたので割愛します。構造分析する読み方では東大は合格しない。

来年度以降に東大を受験する人たちの参考になれば。

    

 


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