授業見学にいらっしゃる他校の先生が先週からまた増えてきた。今年度に入
り、リスニング中心の授業をしているのだが、見学にこられる多くの先生方の
参考になれば大変嬉しく思う。
今週いらっしゃった先生の前では大意要約の・・・というか、そもそも「読む」と
いうのはどのように行うのかという授業をした。
今はまだ高1なので教科書を使ってやったのだが、入試を解く際に、下手な人
は構文を取りながらじっくりじっくり読んでしまう。
ところが実際に「読む」という作業をする際に必要なのは「正確さ」と「速度」で、
その両方が備わってないと求められたことに応えることができないのだ。
僕が思ってる以上に生徒たちの「読む力」はアップしているようで安心したが、
今はまだ単語の力が『ユメタン』①程度なので、入試問題を使うのは早い。
もちろん「できる」生徒なら読めるのは間違いないが、それは授業ではない。
一部の生徒たちのための授業はできないし、「今はまだできない」生徒たちも
見捨てることなく、いい方向に導いてやりたい。
今週やった読解の授業では、1200語程度の超長文を使った。この長さの長
文は東大の第5問より長く、慶應の文学部あたりの長さに匹敵する。
結論から言えば、最も速かった生徒で5分程度で読み終わった。
これには何もコツがあるわけではなく(実はあるにはあるが)、彼らが中1の頃
から延々と音読と暗唱を繰り返した結果の、まさに地力と言えよう。
来年からいよいよ入試問題を使った授業になるが、平均的な生徒であっても、
早い時期に「できる」ようになる。生徒たちには頑張ってほしいな。
そういえば文化祭に来た東大生たちが「キムタツ先生、東大に入ったらみんな
キムタツって固有名詞知ってますよ!」と言ってた。
「俺の悪口で盛り上がれよ」と言っておいたが、仮に悪口であっても頑張って希
望する大学に入った生徒が、入学以後も担任や部顧問の話題で盛り上がって
くれるのは嬉しいものだ。
そういえば今教えている高1と言えば、開成もラサールも『ユメタン』を採用して
くださっているそうな。
ということはつまり、3年後の東大新入生の多くが『ユメタン』ユーザーというこ
とになるのかもしれぬ。考えただけでもワクワクするなぁ。
しかし開成やラサールの生徒たちが合格しているのに灘はさっぱりでしたなぁ
ということにならないように、僕はまたこれからも彼らの力を伸ばしてやろう。
まだ入試演習などは行わない。こんな時期にやっても何の意味もない。単に入
試が解けるだけの学習者を作っても無駄だ。
単語や文法やリスニングの基礎力をじっくりと付けながら、少しずつ飛べるハー
ドルの高さを上げてやって、気が付いたらえらい高いのが飛べるようになってた
という状況に持っていってやろうと考えている。
そして彼らが大学に入ってから、涵養した英語力を使って世界に飛び出してく
れればいいなと願っているのである。