寒いですね。新型インフル+季節性インフル+風邪で、人類の生産的活動は
どうなってしまうんじゃろうと思いながら、うがいを趣味にしている木村です。
せめて写真ぐらいはと思い、タヒチの写真を使ってみました。
週末は博多におりました。それについては後ほど書きますが、博多ってのは
どうも僕にとってはすでに第2の故郷になっていて、落ち着くことこの上なし。
否、博多っていうよりむしろ九州かもしれん。
人情に厚くて酒の好きな九州の友達がどんどん増えていきます。
あの大陸的安定感を持つ九州の人々のMINDに、魅了されているのですよ。
自分でも驚くほど、九州に行くと気持ちが落ち着くのがわかるのです。
同僚の結婚式で、自分の生まれ故郷である奈良に帰ってきたのですけれども
懐かしい奈良盆地の風景に囲まれる自分のメンタリティと、博多の駅に降り立
った瞬間の自分のメンタリティが非常によく似ている。
講演旅行とか研修参加とか、要するに仕事で来ているはずなのに、今から仕
事をするぞというようなメンタリティではないのです。
福岡、佐賀、長崎、鹿児島、宮崎、熊本、大分・・・それぞれの県に「あそこへ
行けばあの人に会おう」と思える友達がいるのは幸せなことです。
最近思うのですが、人から直接的に「こうしたほうがいい」とアドバイスを受けて
すぐにそれをメモをする人はいいですね。とても素晴らしいと思います。
特に若い人の間でも、どんどんメモを取る習慣のある人が増えてきた気がする
のは、きっと彼らの親や先輩がちゃんと指導してるんだろうと思います。
この週末に博多でメモをいっぱい取っているB社松崎君を見て、この人、すごく
成長したなぁと感心しておりました。きっとどんどん伸びるだろうと思います。
かく言う僕の周囲にもメモ魔はたくさんいらっしゃいます。学年の若い先生方も
必ず誰かが何かを言うとメモを取る。若いのに大したもんやと感心しています。
メモを取るという行為には、備忘録的な要素があるのは言うまでもありません。
しかしそれだけではないのです。
誰か(何か)が残した「かけら」に気づくことができるようになるのです。
誰かがぽつんと語った一言。
誰かが少しだけついた溜息。
誰かがほんの少しとった表情。
誰かが少しだけ見せた思いやり。
そういった諸々の「かけら」に気づくことができるようになります。メモを取らない
人と取る人の差は、実はここにあるのではないかと思っています。
メモを取っている間にちょっとした間に起こる出来事を見逃してしまうんじゃな
いのかと思う人は、メモを取らない人です。
メモを取る人のほうがケアフルなのです。見ながら書き、聞きながら書き、書き
ながら見て、書きながら聞いて、そして上手い人はイラストまで書きます。
僕は今の灘の中2生たちが入学してきた最初のHRでこのように言いました。
「大人は必ずメモを持っています。君たちももう中1なんだから、必ずメモを持っ
て下さい。黒皮のメモ帳じゃなくてもいい。表紙に連絡帳と書かれたノートブック
でもいい。そしてとにかく何でもかんでもメモりなさい」、と。
そしてそれは大人になった証しでもあると。
「かけら」に気がつける人はとても強くて優しいものです。またその「かけら」に
こそ、成功のヒントが隠されているものなのです。
成功のヒントは自分で見つけるものです。どんな講演を聴いてもどんな本を読
んでも、直接的には誰も教えてくれるものではありません。
でもその人の話や本の文章の中には無数の「かけら」が落ちています。
その話や内容全体が直接的に役立たなくても、これは加工して使えるかもしれ
ないと思える「かけら」がたくさん散在しているのです。
同じテレビ番組を見ても、同じ本を読んでも、同じ話を聞いても、それに影響を
受けて感動し、自分の血肉にできる人とできない人がいます。
できなかった人は「つまらない」とか「わからない」とか「こんなの役立たない」と
か言います。もっと役立つのかと思ったと。
違うのです。直接的には役立たないことが多いのですね。なぜなら経験も違う
し、それまで読んできた本だって出逢ってきた人だって違うのですから。
でもちょっとした断片がヒントになることがあります。それが「かけら」です。
その「かけら」はその時に「これはいいな」と思っても、すぐに忘れてしまう。
だから講演中や読書中もメモを取らねばなりません。もちろん本の場合には、
付箋を貼っておいて、後からメモ帳に転記しても構いません。
メモを取る習慣のある人は、そういう「かけら」に気づく達人になっていきます。
「かけら」に気づくことのできる自分の感性や価値観こそが大事なのです。
メモを取りましょう。僕はちなみにファミマで買った無印の小さいのを愛用して
いますが、手の平サイズでとても使いやすいです。お勧めです。
(追記)高知学芸高校で『ユメタン』をご採用いただきました。感謝しております。
ありがとうございます。生徒さんたち、初心を忘れず頑張って下さい!