最近つらつらと考えるに、「実行する」ということは本当に大事なことやなと思わず
にはいられません。言うは易く行うは難しという言葉もありますが、その通りです。
例えば日本の国民全員に次のようなアンケートをとったとします。
① インターネットの掲示板に友達の悪口を書き込むことは良いことですか。
② 歩きながら煙草を吸うことは、他の人たちに喜ばれますか。
③ 成績をあげるために、授業の復習をその日のうちにしなくてもいいですか。
こういうようなアンケートをとると、大概の人は「いいえ」と答えるはずなのです。
特に自分の顔や名前が出ている状況ならなおさら。
ところが実際はどうでしょうね。
① 2chや裏サイトなどの掲示板はまだなくなっていません。
② 大阪や東京を歩くと、結構な人たちが歩き煙草をしています。
③ 採点してるとホントにね・・・お前らなぁ(怒)
言うだけなら誰でもできる。問題は「実行する」かどうか。そこで大きい差ができる。
いつも言っているとおり、僕も全く大したことないのに、こうして本を出せたり色々と
夢が叶ってきたのは、何年か前にこの「実行する」力に気付いたからです。
ある人の言葉で「そうか!」と膝を叩き、そこから少しずつどころではないぐらい、と
にかく「実行」してきました。気がついたら才能も何もないのに、ここまで来ました。
皆さん、思ったことをいかに実行できるかです。簡単なことです。極めてシンプル。
今日はその「実行」した先生のメールをご紹介します。
木村先生、こんにちは。ご無沙汰しております。教員を20年以上続けてきて、今
まで生徒たちの単語力不足を嘆いてばかりの自分に新しい局面が訪れたのでメ
ールさせていただきました。
先生のセミナーで「読解力をつけようと思ったら読解の授業をする。英作文の力を
つけようと思ったら英作文の授業をする。単語力をつけようと思っていらっしゃるの
に、単語の授業をしなければ力がつくはずがない」と仰ったのを聞いて、確かにそ
のとおりだなと思いました。
今までの自分は単語集を生徒に持たせ、週に何度かテストをし、確かに再テスト
を繰り返して自己満足をしていただけで、単語の授業という観点がなかったなぁと
思いましたので、セミナーで教えてもらったとおりに行いました。
ただやはり公立高校の悲しいところで、『ユメタン』を使うという点で同僚の賛同を
得ることができず、議論した結果、私の行っている3クラスだけ『ユメタン』を使って
授業の最初の5~7分で単語の授業を行うことになりました。したがって定期考査
では(クラスによって使っている単語集が異なりますので)単語を範囲に入れなく
なりました。それに文句を言われたこともありました。
授業ではCDをかけ、『ユメタン』に負けるな!を合言葉に、クイックレスポンスを繰
り返しました。生徒たちはかなり大きい声を出して頑張りました。
11月の模試あたりから異変が起こりました。
私が行っている3クラスだけ、他のクラスよりも成績が(平均すれば)良かったので
す。読解もリスニングも英作文も、他のクラスよりかなり上でした。1月の模試では
その差が大変なことになり、さらに英検準2級は私の3クラスの合格率が他のクラ
スを大きく上回りました。生徒たちに聞くと「知らない単語はほとんどない」というこ
とでした。これは私の教員生活では初めての経験で体が震えました。
ご存知のとおり、本校は進学校というわけではありませんが、それでも英語の偏
差値が70を超える生徒が十数名出ました。これはおそらく本校の歴史のなかでも
初めてではないでしょうか。『ユメタン』に負けるな!という声に発奮し、あのCDを
使った生徒たちの勝利だと思いますし、授業で単語の指導をするという木村先生の
教えを、実は疑心暗鬼ではありましたが、実行した私の勝利だと確信しています。
この4月からは全学年『ユメタン』を使うことになりました。このままでいけば県トップ
の高校を抜けるんじゃないかという声もありますが、残念ながらその高校さんでも
『ユメタン』を使っているので(笑)。
多くの方々と同じで生徒たちの単語力のなさを嘆いてばかりいましたが、ダメだった
のは私の方法だったのですね。今までの生徒たちに悪いことをしました。だけれども
これからはこの『ユメタン』に負けるな方式で、生徒たちの力を伸ばしてやろうと決め
ました。それと私自身も木村先生と同じく、『English Journal』を暗唱しようと決め、
さっそく1月号から頑張っています。
いろいろとお教えいただきまして、感謝しています。いつも感謝しています。
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確かにメソッドは絶対に良いと、(手前味噌ですが)僕は思っています。問題がひと
つあります。それは「実行」できるかどうかです。
セミナーにいらっしゃった先生方って、みんな何かしら悩んでおられると思う。そして
学ぼうとされているから、わざわざセミナーにいらっしゃるはずなのです。
で、講師の先生方のメソッドを聞いて、これはいい!これならできそう!とアンケート
などには書いてくださいます。
問題は、ご自分がそれまでの方法を捨てて、「実行」できるかどうかなのです。
メールをくださった先生も、保守的な他の先生方と闘われたそうですが、それでも
今のままでは失敗し続けることになると奮起されたと書いてありました。
今までのやり方では単語力を伸ばしてやれていないんだから、定期考査から単語
の範囲を外せば全て解決するじゃないかと提案し、これを譲らなかったそうです。
「実行する」ってのは、勇気と覚悟が要りますね。この先生だって、もしうまくいかな
かったら、またぞろ他の先生から「ダメだったじゃないか」と笑われていたはずです。
それを覚悟して、勇気を持って「実行」されたこの先生のおかげで、生徒たちの英語
力が格段に上がったのだと思っています。
実行するということ。これこそが成功への鍵ですし、その前の段階として、方法その
ものを分析して、具体的な道筋を頭に描くことが重要です。この先生の場合は僕の
セミナーにいらっしゃったので、その部分は僕のやり方をコピーするだけでよかった
のですから、あとは実行するかどうかだけだったのですね。
Y先生、こちらこそありがとうございました。これからも頑張って下さい。生徒たちに、
くれぐれもCDを使うようにと、でないとリスニングで困ることになるよとお伝え下さい。
他のユーザーの方々も、目で見て覚えるのではなく、CDを活用し、『ユメタン』に負
けないように、クイックレスポンスを繰り返して下さい。
そうすれば英語力全体が上がっていきます。この先生の生徒さんたちのように。
今日も僕のブログに来てくださってありがとうございました。
こういうメールが手元にいっぱいありますので、順番にご紹介
していきますね。何かの参考になればと思っています。